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執筆者の写真素調| sochou

素調について

更新日:8月24日


今回ロゴをお願いしている方はInstagramで偶然作品を目にし、一目惚れした方。



新しいサロン名は真綿の保管蔵だった建物の背景も意味に含ませたく、イメージをお伝えしていく中、私自身改めて調べ新たに知ったことがいくつかあったのでここに書き留めておこうと。おかいこさんのこと、漆喰のこと…。


素調の「素」には素顔、ありのまま、もって生まれたままの他、白、白い絹糸という意味があります。


白い絹糸

ここ伊達地方は古くから養蚕が行われ、東北地方の蚕都として栄え、当サロンも明治時代は入金真綿と呼ばれる良質な真綿を販売、横浜に運んでいました。


入金真綿とは保原町の独特の真綿のことで、蚕の繭を引き伸ばして乾燥させたもの。白く光沢があり、柔らかく保湿に優れています。綿ではなく絹です。

形が丁度大判小判の貨幣入れに似ていたことから、また古来より良質の入金真綿を買い手が競って「前金」を出して取引されたことから「いりきん」の名がついたと言われています。 

保原町の入金真綿は現在では高級真綿布団や大変高価な結城紬の貴重な原糸になっています。


おかいこさんというのは何といいますか、調べれば調べるほど本当に儚く…。

全ては繭を作るための一生。


人の手がないと生きていけず、幼虫の時は昼も夜も食べ続け、ここで一生分の食べ物を食べてしまうと言われています。

成虫になったおかいこさんは一切食べることも飲むこともなく(口がないからと一部の記事には書かれていますが、実際は口があるけど食べないようです)、立派な羽があるのに飛ぶこともなく、子孫を残すことだけが仕事で1週間ほどの命と言われています。


しかし成虫になれるのも実際はごくわずかで、ほとんどは繭を作り終えた蛹の状態で茹でられ死んでしまいます。


私たちはそのような蚕に対しておかいこさん、お蚕様と大切に呼んでいます。


所謂桑の葉をモリモリと食べている幼虫の姿は写真を見て知っていましたが、成虫は今回調べてで初めて分かりました。あんなに可愛いらしいおカオをしていたんですね。そして芸術的な触覚も本当に可愛い。

(Wikipediaで検索すると出てきます)


伊達市ホームページ

伊達市の養蚕業より抜粋

現代社会は機能性や便利さを求め続けてきましたが、その中で今、再びあの絹のやさしい手触りやあたたかさにやすらぎを感じる人々が増えてきているのでしょうか、絹( シルク) の下着・パジャマなどをよく目にするようになりました。

また、蚕の作る糸は人間の皮膚に近いたんぱく質でできていることから、化粧品や医療用の縫合糸に利用され、さらに人工皮膚・人工血管への研究が進められています。科学の発達で養蚕業は衰退しましたが、科学の発達でまた新しい蚕業が展開しようとしています。


先人の知恵

灯りのない江戸時代、土蔵に白漆喰を使用したのは月光だけで明るくなる白漆喰壁が防火や堅牢性以上に、防犯上非常に有効だったからだそう。優れた防火性や耐久性は知られていますが、改めて漆喰の明光性の素晴らしさを知りました。



お客様をお待ちしている時にふと出会う明るい白い光。

漆喰に光が差し込む様子は美しく、いつも施術後のお客様の白い素肌と重なります。地震により修繕工事をした際、漆喰を塗り直しましたがこの白の美しさを再確認できました。


改めて気づけばおかいこさんと関係の深い白漆喰のこの場所は"絹のような滑らかな肌と美しい白"をまるで象徴しているかのような…


私が今目指しているものは120年前から既にここに存在していた…

そのような気づきと想いが溢れ、𝟣𝟢周年という節目に名前を変更いたしました。

時代が変わっても価値の変わらない本物をこれからもずっと。



素調

素のわたしを調える

心地よさが豊かさへと変わる


満ち足りた時間を明治時代の蔵の中で。

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